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GitHub Copilotモデル選び2026:AI Credits時代の実効コストで8モデルを使い分ける

先に決めるモデル割り当て

作業第一候補と切り替え条件
定型修正・要約Lunaを起点にし、自律的なコード変更ではMAI-Code-1.1-Flashも試す
日常の実装・テスト追加MAI-Code-1.1-Flashを起点にし、Lunaの成功一件当たり実効コストが下がれば入れ替える
設計判断・一次レビューTerraを起点にし、品質基準を満たさない難所だけ上位へ送る
長期固定するCI・基盤GPT-5.3-Codexを使い、LTSより最新性能を優先するときはTerraへ移す

2026年6月1日、GitHub Copilotの月次プランはプレミアムリクエストの倍率制からGitHub AI Creditsへ移行した。2 現在のモデルコストは、入力、キャッシュ、出力の各トークン量にモデル別単価を掛けて決まる。 したがって、安いモデルを選ぶだけでは足りず、同じ仕事を完了するまでに使ったクレジット、成功率、人間の修正時間を一緒に測る必要がある。

GitHub Copilotのモデルを作業の難度と費用対効果で割り当て、LTSと長文料金の注意を示す

結論はMAI-Code-1.1-Flash、Luna、Terraの三段構成になる

SmartScopeは対象8モデルを次のように暫定配分し、異なるハーネスを横断した共通スコアがないため、全用途に通用する総合順位ではなく各モデルを試すレーンと外す条件を示す。

モデル試すレーン採用または除外の条件
MAI-Code-1.1-Flash日常の実装同価格のLunaより成功一件当たり実効コストが低ければ標準にする
GPT-5.6 Luna定型処理と低コスト汎用MAIより成功一件当たり実効コストが低い実装タスクも引き受ける
GPT-5.6 Terra設計判断と一次レビュー推論レベルを固定し、LunaやSolの設定と比較する
GPT-5.3-Codex長期固定する基盤最新性能よりBusinessとEnterpriseのLTSを優先する
Claude Opus 4.8対象8モデル内の難しいレビュー同価格のOpus 5を含む後継比較を先に行う
GPT-5.6 Solターミナル主体の最難関Terraで品質基準を満たさない処理だけ送る
MAI-Code-1-Flash1.1への移行2026年9月10日の廃止までに置き換える
Claude Haiku 4.5既存互換性の確認MAI-Code系より成功一件当たり実効コストが高ければ標準から外す

MAI-Code-1.1-FlashとLunaは同じGitHub単価だが、同一のCopilotハーネスによる直接比較は公開されていない。 日常実装はCopilotワークフローへ直接最適化されたMAI-Code-1.1-Flash、定型処理はLunaから試し、自社の成功一件当たり実効コストで担当を入れ替える。

2026年6月から倍率ではなくトークン量が請求を決める

GitHub AI Creditsでは、1 creditが0.01米ドルに相当する。 Individualの各プランは月次のクレジット枠を含み、BusinessとEnterpriseは席ごとの枠を課金エンティティ全体でプールする。 枠を超えた利用は、モデル別の入力、キャッシュ入力、キャッシュ書き込み、出力単価から追加課金される。1

コード補完とnext edit suggestionsはAI Creditsの対象外であり、有料プランでは引き続き無制限である。 モデルピッカーで選択したモデルが請求へ効くのは、主にチャットやエージェントなどの利用である。 Copilot code reviewは例外で、GitHubが非公開のモデルを自動選択し、AI Creditsに加えてGitHub Actions minutesも消費する。1 Terraを一次レビューへ手動指定できるのは、組み込みのcode reviewではなく、チャットまたはエージェントへ変更差分を渡す使い方である。

例外は、request-based billingを継続している既存のCopilot ProまたはPro+年額契約である。 対象者は契約更新まで旧方式を使えるが、新しいモデルや機能を利用できない場合がある。3 現行の旧方式倍率表ではGPT-5.3-Codexは6xであり、0xではない。

現行単価は出力とキャッシュ書き込みまで分けて読む

次の価格は、2026年8月14日に確認したGitHub公式表の100万トークン当たり米ドル単価である。1 「3対1加重」は入力3、出力1として計算した比較用の名目単価であり、キャッシュ書き込みを含まない。

モデル入力キャッシュ入力キャッシュ書込出力3対1加重
MAI-Code-1.1-Flash$0.20$0.02$1.20$0.45
GPT-5.6 Luna$0.20$0.02$0.25$1.20$0.45
MAI-Code-1-Flash$0.75$0.075$4.50$1.69
Claude Haiku 4.5$1.00$0.10$1.25$5.00$2.00
GPT-5.6 Terra$2.00$0.20$2.50$12.00$4.50
GPT-5.3-Codex$1.75$0.175$14.00$4.81
Claude Opus 4.8$5.00$0.50$6.25$25.00$10.00
GPT-5.6 Sol$5.00$0.50$6.25$30.00$11.25

実効コストはこの列だけでは決まらない。 エージェントが読み直すファイル量、推論の長さ、ツール実行の失敗、再試行、人間が修正する時間まで含めて一件の成功単価を出す必要がある。

長いコンテキストにも注意が要る。 GPT-5.6 Lunaは入力が20万トークンを超えると、TerraとSolは27万2,000トークンを超えるとLong context料金へ移る。 巨大リポジトリを無選別に渡す運用は、単価と処理量を同時に押し上げる。

ベンチマークは同じハーネスの列だけを比較する

GPT-5.6の一般提供時にOpenAIが公表した同一表では、SWE-Bench ProがSol 64.6、Terra 63.4、Luna 62.7だった。 Terminal-Bench 2.1はSol 88.8、Terra 87.4、Luna 84.7で、SolのUltra設定は91.9だった。7

OpenAI公表の同一評価SWE-Bench ProTerminal-Bench 2.1Agents' Last Exam
GPT-5.6 Sol64.688.852.7
GPT-5.6 Terra63.487.450.4
GPT-5.6 Luna62.784.750.3
Claude Opus 4.869.278.945.2

この表からは、TerraがSolへ近いことと、Lunaの低価格が大幅な性能低下を意味しないことを読み取れる。 ただし、推論強度、ツール、コンテナ、試行回数を固定しない他社表へ数値を移して比較することはできない。

GPT-5.3-Codexは別世代のOpenAI公表評価でSWE-Bench Pro 56.8、Terminal-Bench 2.0 77.3だった。8 ベンチマークの版が違うため、77.3を上のTerminal-Bench 2.1列へ入れて順位付けしてはいけない。

Microsoftの最新モデルカードは、Copilotの本番ワークフローを評価するハーネスでMAI-Code-1.1-Flashを測っている。9

Microsoft CopilotハーネスSWE-Bench Verified平均トークンTerminal-Bench 2.1平均トークン
MAI-Code-1.1-Flash72.68.6K62.917.0K
MAI-Code-1-Flash71.610.8K51.714.2K
Claude Haiku 4.569.820.9K49.425.5K

この表はMAI-Code-1.1-FlashとHaiku 4.5の直接比較には使えるが、OpenAI表との横断順位には使えない。 また、一つ前のMAI-Code-1-FlashモデルカードではHaiku 4.5がVerified 66.6、Terminal-Bench 2.0 41.6だった。10 同じモデル名でもカードと評価時点が変われば数値が動くため、記事では最新版の同一カード比較を優先した。

MAI-Code-1.1-Flashは日常実装の第一候補になる

MAI-Code-1.1-Flashは、GitHub Copilotのエージェント型ワークフローへ合わせて訓練されている。 Microsoftは前世代に対し、Terminal-Bench 2.1の改善、ストリーミング速度の向上、トークン削減を報告している。9

モデルカードの平均トークンをすべて出力と仮定する単純な価格代理値では、SWE-Bench Verified一件がMAI-Code-1.1-Flashで約0.010ドル、Haiku 4.5で約0.105ドルになる。 同じカード上の成功率は72.6対69.8なので、代理値ではMAI-Code-1.1-Flashが約10分の1の費用で上回る。

これは実請求額ではない。 入力、キャッシュ、失敗試行を除外し、平均トークンの内訳も出力だけとは限らないためである。 それでも、同一ハーネスで短い解答と高い成功率を同時に示した点は、日常実装の試験導入を始める十分な理由になる。

Lunaは同額の低コスト汎用レーンになる

LunaはMAI-Code-1.1-Flashと同じ名目単価である。 OpenAIの同一評価では、Solとの差がSWE-Bench Proで1.9ポイント、Agents' Last Examで2.4ポイントに収まった。7

要約、分類、コミットメッセージ、定型的な説明に加え、コード修正でも候補になる。 ただしCopilot本番ハーネスでMAI-Code-1.1-Flashと直接比較した資料はないため、Lunaを一律に2番手へ固定せず、自社タスクの成功一件当たり実効コストで入れ替える。

Terraは推論レベルを固定して中間レーンで試す

TerraのSWE-Bench ProはSolとの差が1.2ポイントで、3対1加重単価はSolの40%である。 ただし、現在のCopilotはGPT-5.6を含む対応モデルで推論レベルを選択でき、より高い推論はAI Credits消費を増やす。5 機能はVisual Studio Code、Copilot CLI、Copilot cloud agentで利用できるため、モデル名だけでは実効コストを比較できない。

一方、Artificial AnalysisのAPI評価では、LunaとSolが推論強度をまたいでパレート最前線に残り、Terraは外れたと報告された。12 Terraのregular reasoningを設計作業の起点にし、Lunaの高い推論またはSolの低い推論が同等品質を安く出せるか、同じ自社タスクで比較する。

GPT-5.3-Codexは性能順位よりLTSを買う

GitHubはGPT-5.3-CodexをCopilot BusinessとEnterpriseのbase and LTS modelに指定している。 LTSモデルは指定から1年間の提供継続が想定され、モデル廃止による検証のやり直しを減らせる。4

3対1加重単価はTerraの4.50ドルに対してGPT-5.3-Codexが4.81ドルだが、別リリースのSWE-Bench Proスコアを直接比較して性能差を決めることはできない。 CI修復や長期運用するエージェント基盤では、わずかな名目単価差よりモデル固定期間を優先する選択肢になる。

Opus 4.8とSolは難所限定で使う

OpenAIの同一表では、Claude Opus 4.8のSWE-Bench Proは69.2でSolの64.6を上回り、Terminal-Bench 2.1は78.9でSol、Terra、Lunaを下回った。7 対象8モデルの中では、大規模なリファクタリングや設計レビューを再確認する候補になる一方、ターミナル主体の作業では同じ優位を仮定しない。

ただし、GitHubの出力単価は100万トークン当たり25ドルである。 Artificial Analysisの測定でも、平均より多い出力トークンと高い一件コストが報告されている。13 Anthropicの新トークナイザは同じ入力を内容によって1.0倍から1.35倍のトークンへ分割する一方、社内コーディング評価では総利用量が減った例もある。11 トークナイザ変更を一律35%の値上げとみなさず、完了までの総量で判断する必要がある。

SolはTerminal-Bench 2.1のUltra設定で91.9と突出するが、3対1加重単価も対象中で最も高い。 TerraやOpus 4.8で品質基準を満たさなかったターミナル主体の難所へ限定する。

この暫定ルーティングは指定した8モデルの比較であり、Copilotの全モデルを網羅しない。 2026年8月14日のGitHub価格表にはClaude Opus 5がOpus 4.8と同価格で掲載されているため、新規選定でOpus 4.8を契約上固定する前に後継も比較する。1

MAI-Code-1-FlashとHaiku 4.5は新規標準にしない

MAI-Code-1-FlashはCopilot本番ハーネスでHaiku 4.5を複数のコーディング評価と平均トークン量で上回った。10 しかし、後継の1.1は入力と出力単価が大幅に下がり、VerifiedとTerminal-Bench 2.1も改善した。 GitHubはMAI-Code-1-Flashを2026年9月10日にCopilotの全利用形態で廃止し、1.1へ移すと告知している。6 したがって、旧版は新規標準の候補ではなく移行対象である。

Copilot BusinessとEnterpriseでは、管理者がMAI-Code-1.1-Flashのモデルポリシーを有効にする必要があり、初期値はオフである。6 検証を始める前に、対象チームのモデルピッカーへ1.1が表示されることを確認する。

Haiku 4.5は、同一のMicrosoftハーネスでMAI-Code系より低いスコアと長い平均トークンを示し、GitHub単価も高い。 Anthropic固有の出力特性や既存プロンプトとの互換性を評価したうえで残すモデルであり、価格だけを理由に選ぶ位置ではない。

自社評価は成功一件当たりの実効コストで測る

公開ベンチマークから自社の成功率を推定する代わりに、代表タスクを少数の固定セットへ切り出す。 バグ修正、テスト追加、リファクタリング、CI修復、設計レビューを含め、期待するテスト結果と人間の採点基準を先に決める。

各モデルで最低限、次を記録する。

  • 成否と、最初の合格までの試行回数
  • 入力、キャッシュ、出力のAI Credits
  • モデル名、推論レベル、コンテキスト設定
  • 経過時間と人間の修正時間
  • テスト失敗、不要な差分、セキュリティ上の問題
  • Long context料金へ入ったか

品質基準と人間の修正時間上限を先に通し、合格した候補だけを成功一件当たり実効コスト =(総AI Credits × $0.01 + 総修正時間 × 社内時間単価)÷ 合格件数で比較する。 日常実装はMAI-Code-1.1-FlashとLunaを直接対決させ、設計判断はTerraから始め、失敗した難所だけ上位へ送る。

採用前に確認する5項目

  • 月次プランの費用を、倍率ではなくトークン別単価と実消費で比較する。
  • 日常実装はMAI-Code-1.1-Flash、低コスト汎用処理はLunaから試す。
  • 設計判断はTerraから始め、Opus 4.8とSolは失敗コストの高い難所へ限定する。
  • GPT-5.3-Codexは旧方式の倍率ではなく、BusinessとEnterpriseのLTS要件で選ぶ。
  • 公開値は同一ハーネス内だけで読み、品質と修正時間の上限を満たす候補だけで成功一件当たりの実効コストを測る。

関連記事

出典


  1. GitHub Docs, Models and pricing for GitHub Copilot, 2026-08-14参照。 AI Creditsの換算、プラン枠、プール、追加課金、対象外機能、モデル別単価、Long context料金、期間限定価格を参照した。 

  2. GitHub, Updates to GitHub Copilot billing and plans, 2026-06-01。 月次プランのAI Credits移行日と年額契約の移行境界を参照した。 

  3. GitHub Docs, Model multipliers for annual plans, 2026-08-14参照。 旧方式の対象者、新モデル制約、GPT-5.3-Codexの現行倍率を参照した。 

  4. GitHub Docs, Base and LTS models, 2026-08-14参照。 BusinessとEnterpriseの対象範囲、GPT-5.3-Codexの指定、提供期間を参照した。 

  5. GitHub Docs, Supported AI models in GitHub Copilot, 2026-08-14参照。 GPT-5.6三層の推論レベル、対応クライアント、高い推論と長いコンテキストによるAI Credits増を参照した。 

  6. GitHub, Upcoming deprecation of MAI-Code-1-Flash, 2026-08-11、およびMAI-Code-1.1-Flash available in GitHub Copilot, 2026-08-11。 旧版の廃止日、移行先、1.1の提供範囲、BusinessとEnterpriseのポリシー初期値を参照した。 

  7. OpenAI, GPT-5.6 is now generally available, 2026-07-30更新。 GPT-5.6三層とClaude Opus 4.8のSWE-Bench Pro、Terminal-Bench 2.1、Agents' Last Examを参照した。 

  8. OpenAI, Introducing GPT-5.3-Codex, 2026-02-05。 SWE-Bench ProとTerminal-Bench 2.0の公表値を参照した。 

  9. Microsoft AI, MAI-Code-1.1-Flash Model CardおよびMAI-Code-1.1-Flash: Better, faster, at a quarter of the cost, 2026-08-11。 Copilotハーネス、SWE-Bench Verified、Terminal-Bench 2.1、平均トークン、速度と前世代比を参照した。 

  10. Microsoft AI, MAI-Code-1-Flash Model Card, 2026-06-02。 CopilotハーネスとClaude Haiku 4.5の同条件比較を参照した。 

  11. Anthropic, Introducing Claude Opus 4.7, 2026-04-16。 新トークナイザによる入力トークン差と社内評価での総利用量を参照した。 

  12. Artificial Analysis, GPT-5.6 has landed, 2026-07-09。 推論強度別の価格性能曲線と、Luna・Sol・Terraのパレート評価を参照した。 

  13. Artificial Analysis, Claude Opus 4.8 — Intelligence, Performance & Price Analysis, 2026-08-14参照。 独立測定の出力量、一件コスト、速度を参照した。