Claude Codeに「Claude Security」プラグイン登場、マルチエージェントで脆弱性スキャンからパッチ提案まで¶
対象 / 導入判断
対象: Claude Codeで既存リポジトリのセキュリティ監査を検討している開発者
ポイント:
- Claude Securityプラグインは、リポジトリや差分を複数エージェントで調べるオンデマンドの深掘りスキャンである
- security-guidanceはClaudeが書くコードを作業中に点検し、対象範囲と実行契機が異なる
- 指摘とパッチは独立検証されるが、自動適用されず、既存スキャナーと人間のレビューも置き換えない
Anthropicは2026年7月22日、Claude SecurityをClaude Codeから使える公式プラグインとしてベータ公開した。12/claude-securityからリポジトリ全体やコミット差分を調べ、検証済みの指摘をパッチ候補へ変換できる。
ただし、これは編集のたびに動く軽量ガードではない。 この記事の問いは、新プラグインを既存のsecurity-guidanceや/security-reviewとどう使い分けるかである。

Enterprise向けWeb版の能力がCLIへ広がった¶
今回の変化は、Claude Securityの初登場ではなく、実行場所と利用対象の拡大にある。 旧称Claude Code Securityは限定リサーチプレビューを経て、2026年4月30日に Claude Enterprise向けWebサービスとして公開ベータへ移行した。 Web版はclaude.ai/securityまたはClaude.aiのサイドバーから接続済みリポジトリをスキャンし、 管理者による有効化を必要とする。3
新しいプラグインはClaude Codeセッション内で動く。 GitLabやBitbucket上のリポジトリ、外部からの接続を許可しないネットワークなど、Web版のマネージドサービスが届かないコードにも使える。スキャンは各プランの使用量へ加算される。2
公式製品ページはプラグインを「全Claude Codeユーザー向けのベータ」と案内するが、実行条件には有料プランが含まれる。24 4月時点のWeb版はEnterprise向け、7月のプラグイン版はClaude Codeの有料プラン向けという違いを分けて読む必要がある。
security-guidanceは常時ガード、Claude Securityは深掘り監査¶
名称は近いが、2つのプラグインは同じ仕事を重複して実行するものではない。 security-guidanceは、Claudeがそのセッションで変更したコードを早い段階で点検する。 インストール後は個別コマンドを呼ばなくても、編集時、ターン終了時、 commitまたはpush時の3段階で動く。5
編集時の検査は正規表現や文字列によるパターン照合で、モデルを呼ばない。 一方、ターン終了時とcommit時のレビューは別コンテキストのClaudeを使い、追加使用量を消費する。 security-guidanceは全プランで利用できるが、全レイヤーが無料という意味ではない。5
Claude Securityプラグインは、既存コードベースを明示的に指定して深く調べる。 複数エージェントがアーキテクチャ把握、脅威モデル作成、脆弱性探索を分担し、別の検証エージェントが各指摘を独立評価してからレポートへ載せる。2
| 観点 | security-guidance | Claude Securityプラグイン |
|---|---|---|
| 主対象 | Claudeが作業中に変更したコード | 既存リポジトリ、ブランチ、PR、commit |
| 実行契機 | 編集・ターン終了・commit時に自動 | /claude-securityで明示実行 |
| 深さ | 早期発見を狙う段階的レビュー | 脅威モデルを含むマルチエージェント監査 |
| 利用条件 | 全プラン、Claude Code v2.1.144以降 | 有料プラン、v2.1.154以降、Dynamic Workflows |
| 使用量 | 編集時はゼロ、モデルレビューは追加消費 | スキャンごとに追加消費 |
日常の変更を早く止める層と、既存資産を時間と使用量をかけて掘る層の違いだ。
スキャン結果はコードではなくレポートとして届く¶
導入にはClaude Code v2.1.154以降の有料プラン、Python 3.9.6以降、Dynamic Workflowsが必要になる。 差分スキャンとパッチ化にはGitも必要だが、バージョン管理されていないディレクトリでもフルスキャンは実行できる。2
導入はClaude Codeセッションで次の順に進める。
/plugin install claude-security@claude-plugins-officialでインストールする/reload-pluginsで現在のセッションへ反映する/claude-securityで対象範囲を選ぶ
プラグインは最初に対象範囲を読み、リポジトリ全体か特定領域かをファイル数と相対コスト付きで提示する。 実行には明示確認が必要で、完了までClaude Codeを開いたままにする。2
結果はCLAUDE-SECURITY-<timestamp>/へ保存される。 人間向けMarkdown、機械可読なJSONL、対象commitや検証の網羅度を記録した リビジョンスタンプの3種類だ。 指摘にはID、影響、悪用シナリオ、深刻度、確信度、推奨対応が付く。2
スキャンがcheckoutへ加えるのはこの結果ディレクトリだけで、ソースコードは変更しない。 また、分析は非決定的であり、同じcommitを再度調べても同じ指摘が出るとは限らない。リビジョンスタンプは監査対象を固定する証跡であり、再現性そのものを保証するものではない。
パッチは独立検証後も自動適用されない¶
パッチ生成には、指摘の検証とは別にもう一つの安全境界がある。 作成担当とは独立したエージェントが既存テストと差分を読み、指摘の解消、 新しい脆弱性がないこと、他の挙動を変えないことを確認する。 3条件を保証できない場合、プラグインはパッチではなく理由を返す。2
合格したパッチもpatches/F1.patchのようなファイルとして置かれるだけだ。 自動適用はされず、利用者がgit applyで取り込む。公式ドキュメントはfindingごとに別のプルリクエストへ分け、個別にレビューとテストを行うよう推奨している。2
ここは製品名から受ける印象より保守的である。 Claude Securityは「自動修復」ではなく、監査候補と検証済みの修正案を人間の承認地点まで運ぶ仕組みだ。
導入判断は多層防御の空白で決める¶
Claude Securityプラグインは、静的解析や依存関係スキャンの代替ではない。 Anthropic自身も、作業中のsecurity-guidance、単発の/security-review、 PR時のCode Review、Web版Claude Security、既存CIスキャナーと併用する 多層防御として位置づける。2
| 段階 | 主な機能 | 向く用途 |
|---|---|---|
| 作業中 | security-guidance | Claudeが書いた変更を早期点検 |
| 単発 | /security-review | 現在のブランチを一度確認 |
| 深掘り | Claude Securityプラグイン | リポジトリや差分を脅威モデルから監査 |
| PR | Code Review | Team・Enterpriseで変更を継続レビュー |
| マネージド | Claude Security Web版 | Enterpriseで接続済みリポジトリを監視 |
| CI | SAST・依存関係スキャナー | 決定的ルールと供給網ポリシーを強制 |
信頼できないリポジトリでは、スキャン対象に悪意ある指示やフックが含まれる可能性も考える必要がある。 Claude Codeは初回のコードベースで信頼確認を行う。 公式の安全策は未知の内容に対してサンドボックスやVMを使い、 コマンドと重要ファイルの変更を人間が確認することだ。67
新プラグインの価値は、Enterpriseのマネージド接続を使わず、手元のClaude Codeから既存リポジトリへ深い監査を追加できる点にある。 その一方で、非決定性、使用量、人間による最終承認が残る。導入の基準は「他の検査を置き換えられるか」ではなく、既存の防御で見落とす文脈依存の脆弱性へ追加の探索予算を使う価値があるかだ。
関連記事¶
Claude(@claudeai), Claude Securityプラグインのベータ提供開始, 2026-07-22. ↩
Claude Code Docs, Scan your codebase for vulnerabilities, 2026-07-23参照. ↩↩↩↩↩↩↩↩↩↩
Anthropic, Claude Security is now in public beta, 2026-04-30. ↩
Anthropic, Claude Security製品ページ, 2026-07-23参照. ↩
Claude Code Docs, Catch security issues as Claude writes code, 2026-07-23参照. ↩↩
Claude Code Docs, Sandboxing, 2026-07-23参照. ↩